大学生や専門学生の方々は近年、卒業式に袴姿で臨むのが主流となっています。
合わせる着物の色や柄、中振袖か、小振袖のどちらに合わせるかも分かれるところ。
さらに、草履にするか、ブーツにするかも考えるとなかなかイメージが固まらないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、袴をどう着こなすか、何を合わせるかといったコーディネートのポイントをご紹介していきます。
それぞれのメリット・デメリットなどをチェックして、ぜひ自分らしい袴姿を叶えてください。
袴といえば明治から昭和初期にかけて高等女学校に通う女性の中で流行した身なりで、当時、学問の場にふさわしい衣裳として受け入れられていました。
しかし、昭和に入ると洋服を着て臨むケースがほとんどで、この時には卒業式に袴を着る文化はありませんでした。
卒業式に袴を着るようになったのは90年代に入ってから。
1987年に、当時トップアイドルだった南野陽子さんが主演する「はいからさんが通る」の実写映画がきっかけとなったようです。
その後、少しずつ卒業式に袴を着る女性が増え始め、今では卒業式といえば袴というイメージが定着するまでになっています。
卒業式の袴といえば振袖を合わせるのが一般的です。
ただ、袴には大振袖、中振袖、小振袖の3種類があります。
このうち、卒業式で着られるのは中振袖と小振袖の2種類。
詳しい違いやそれぞれの意味合いをまとめましたので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
袖丈が114cmある大振袖は、本振袖とも呼ばれ、振袖の中で最も格の高いとされています。
一般的な婚礼衣裳の定番であり、現代でも白無垢、黒引き振袖を身にまとって神前式や和装人前式に臨む花嫁は少なくありません。
大振袖は最上級の和装姿。
ウエディングドレスを着て卒業式に臨む人はいませんよね?
同様の意味で、大振袖を卒業式で身にまとうのは違和感があると言えるでしょう。
袖丈が100cm前後の中振袖は、大振袖に次いで格の高い着物です。
華やかなお祝いの席で身にまとう衣裳としてふさわしい装いで、最近では成人式に身にまとう着物として定着しています。
実際には大切な祝いのシーンで身にまとう衣裳として用いられるため、卒業式にふさわしい衣裳と言えます。
一方、袴は弓道や剣道、乗馬など、動きやすさを求められるシーンで用いられることが多く、着物の中ではカジュアルな部類です。
そのため、中振袖に合わせて良いのか悩む方もいらっしゃるかもしれません。
実際には中振袖に袴を合わせてはならないという決まりはありません。
動きやすさという観点で言えば小振袖と合わせるのが一般的ですが、祝の席であることと、卒業式=袴というイメージを考えれば中振袖に袴を合わせるのも問題ないと言えるでしょう。
袖丈85cm程度の小振袖は、振袖の中で最も袖が短く、格の低い着物です。
堅苦しくない、どんな場所にでも着ていけるきちんとした身なりとされいる、いわば普段着。
とは言え、洋服が主流の現代で普段から振袖を着ている人はあまり多くありませんよね。
着用の機会といえば、お茶会をはじめとする和のパーティーなどがぴったりです。
ちなみに、卒業式の袴に合わせるのは小振袖が一般的となっています。
ここで中振袖を選ばないのは、価格的なことより、学問の場にふさわしい衣裳である制服的な意味合いの袴姿をイメージしているからでしょう。
もしかすると、それとは知らず「はいからさんが通る」の衣裳姿が今に受け継がれているのかもしれません。
卒業式の袴をコーディネートするとき、着物は決まっているけれど袴を別で選ぶ必要があることがあります。
例えば、成人式で着た振袖や、お母さんやおばあちゃんからもらった訪問着を袴に合わせる時。
どんな袴と合わせれば良いのか、色や柄の種類など、どれがしっくりくるのか気になりますよね。
そんな時は、まずは下記を参考にしてみてください。
袴選びのポイント
もちろん、赤い振袖に赤い袴を合わせる必要はありません。
メインのカラーではなく、差し色や柄などで使われている色を袴に選ぶ方がしっくりくるかもしれません。
着物の柄はプロがメインカラーとの相性を考えて選んでいるため、袴の色をそれに合わせて選んでも違和感がない場合が少なくありません。
その上で、差し色の半幅帯の色を決めていけば、色がまとまりやすくなります。
差し色だけでも1色ではないので、どの色、どの袴を選ぶかをいろいろ合わせてみるとどのカラーが一番似合うかが少しずつ分かってきます。
なかなか色が決まらないという方はぜひ一度試してみてください。
袴にブーツを合わせるか、それとも草履にするかで悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。
草履とブーツ、それぞれに違った特徴があるので、ポイントを押さえた上で好みの方を選ぶようにしましょう。
袴に草履を合わせるメリット
袴に草履を合わせるデメリット
袴にブーツを合わせるメリット
袴にブーツを合わせるデメリット
実は、どちらを合わせるかによってどれくらい足元を見せるかも変わってくるため、選ぶ袴の丈が変わってきます。
そのため、草履にするか、ブーツにするか、好みのスタイルを最初に決めておいた方が袴選びがスムーズになります。
具体的には、
草履の場合みぞおちの5cm下からくるぶしくらいの長さ。
ブーツの場合もう少し高めにするのがおすすめ。
とは言え、肌が見えてしまうと台無しになってしまうので、ショートブーツからロングブーツまで丈の長さが幅広い中からどんなブーツを合わせるのかも考えておいた方が良いでしょう。
いかがでしたか?
実際には卒業式の恰好に決まりがあるわけではなく、袴だけでなく、スーツ、振袖、訪問着など、きちんとした姿であれば問題ありません。
また、袴にブーツが認められている以上、完全にフォーマルでなければならないとも言い切れません。
でも、せっかくの機会なので自分らしい袴姿で臨みたいところですよね?
みつわでは、当日を見据えたコーディネートや袴に合わせる小物の提案など、さまざまなカタチでサポートが可能です。
選ぶ袴に迷ったら、ぜひ相談に訪れてみてください。